妊婦の場合はマクロライド系(クラリスロマイシン、アジスロマイシンとなります。
マクロライド系抗菌薬が有効な時期もあったが, 現状では, 地域により傾向は異なるが, 梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum: T. pallidum)のマクロライド耐性が拡がっているので, マクロライド系抗菌薬は第一選択とはならない。
性感染症の治療においては、パートナーの治療も重要です。
梅毒は患者様のステージ(第1〜3期)によって、投与期間が異なるため、注意が必要です。
淋病では、ペニシリンやレボフロキサシンなどの抗生剤は、耐性が増加しているため、投与は控えたほうがよいとされています。
マイコプラズマ・ジェニタリウムも、薬剤耐性が問題となっており、薬の効果を見て適宜、調整が必要となります。
尖圭コンジローマは、軟膏以外に凍結療法、電気焼灼、レーザー、外科的切除といった治療があります。
・以前に梅毒やクラミジア、淋病、またその他性感染症にかかったことのある方
DIクイズ3:(A)妊婦健診で判明した梅毒患者の治療:日経DI
2022年7月に行われた国際エイズ学会でドキシペップに関する研究が取り上げられ、その予防効果は、梅毒は87%、クラミジアは88%、淋菌は55%と発表されました。
ペニシリン系抗菌薬が梅毒には非常に効果的ですが、クラミジアなどには効きません。これは薬の元々の性質(作用機序)によって決まっていることです。
ちなみにドラマ化もされた村上もとか原作まんが「JIN-仁」の中で、主人公がカビから作った薬がこのペニシリンです。
作者のインタビューによると、現代の外科医である仁を江戸時代にタイムスリップさせた発想は、梅毒で苦しむ女性を救わせたいという思いが出発点だったそうです。
ドキシPEPは抗生物質(ドキシサイクリン)を使用するため、耐性菌の発生について気になる方も多いと思います。
加えて、性行為自体がなくても、オーラルセックスやキスなど他の行為によっても梅毒に感染します。しかし、これらの行為からでは感染しない、もしくは歯を磨いたり、シャワーやうがい薬などで軽く洗い流したり、消毒したりすれば大丈夫と誤解している人たちが意外と多くいます。こういった誤解が感染を拡大させている一因です。薬剤師としてもこういったことを把握した上で相談にのるのが良いでしょう。
クラミジア感染症と診断されたら、抗生剤の内服(アジスロマイシン、クラリスロマイシン、ミノサイクリン、ドキシサイクリンなど)を行います。
梅毒合併妊婦では, いわゆるTORCH症候群の「O(Others)」として先天梅毒のリスクがある。妊婦が感染していると胎盤を介して胎内感染し, 胎児への影響と, 出生児に先天異常を発症する。この垂直感染は後期梅毒でも起こり得る点が性行為感染(水平感染)と異なる。
なお、クラリスロマイシンは、必要に応じて適宜増量することができる。ただし、1回400mg(力価)1日2回を上限とする。 ..
感染後しばらく経つと、亀頭や陰茎にしこりやできものができる、体や手のひらに赤いぶつぶつ・口の中に口内炎のようなものができるなどの具体的な症状が出てきます。感染の可能性のある行為をした後にこういった症状が出てきたら、ほかの感染症罹患の可能性も考慮に入れて、受診を勧めましょう。医療が進んでいる現在において、そこまで重篤になることはまれですが、梅毒を放置して悪化した場合には、脳や神経にも影響を及ぼし、認知症症状や神経障害などを引き起こすこともあります。
[PDF] アモキシシリン水和物含有製剤の「使用上の注意」の改訂について
また、梅毒ではそれほど問題ではないのですが、感染症治療における大きな問題に「耐性化」という現象があります。
最初は効いていた抗菌薬が効かなくなってしまうことを耐性化といいます。
例えば、ペニシリンを分解するタンパク質を作れるようになってしまい、ペニシリンが効かなくなった細菌はたくさんいます。
梅毒に関しては、ペニシリン系抗菌薬に耐性化していないのできちんと治ることが多いのです。
※しかし、投与法や用量に関しては今議論が活発化はしています。
アモキシシリン、クラリスロマイシンに感性のヘリコバクター・ピロリ.
わが国では, 梅毒治療の第1選択は, ベンジルペニシリンベンザチンとアモキシシリンである1-3)。いずれの薬剤も梅毒に有効であるが, 多数例での比較試験はない。ベンジルペニシリンベンザチンは, 早期梅毒には1回240万単位を筋注, 後期梅毒には週に1回240万単位を計3回の筋注として投与する1,2)。有効性を評価する比較試験はないものの, 長く使われてきており, その高い有効性は臨床現場で経験的に認識されている。ベンジルペニシリンベンザチンに特異的な副反応ではないが, 筋肉注射の薬剤で稀に認められる副反応4)については知識として知っておいて良いだろう。アモキシシリンは, 1回500mgを1日3回で28日間として投与する1)。わが国から, 1日1,500mg3)と1日3,000mg5)投与での有効性を評価した報告があり, いずれも有効性は高い。梅毒診療においては, 後述するように, 治療効果判定を治療後の梅毒抗体検査で確認することから, 4週間の投与期間であっても再診できる患者であれば問題ない。ペニシリンアレルギーの場合には, わが国の保険診療に鑑みてミノサイクリンを投与する1)。ミノサイクリンの効果はベンジルペニシリンベンザチンと同等との報告6)がある。
[PDF] ペニシリン系抗生物質製剤 アモキシシリン水和物散
梅毒の治療時に注意しなければならないのはペニシリン投与によるJarisch-Herxheimer反応であり, 治療後24時間以内に頭痛, 筋肉痛, 発熱等の症状が生じる。治療により, 菌量の多い早期にT. pallidumの菌体が破壊されることによると考えられる。女性に起こりやすいとされているが, もちろん, 男性でも発現する。梅毒と診断がついていればペニシリンが投与されるが, 梅毒の診断がされていない状態で, 他の疾患を想定して, 例えば, セファロスポリン系抗菌薬が投与されていたとしても生じ得る。一般的には, 症状は自然軽快するが, 妊婦にベンジルペニシリンベンザチンを投与する場合には, このJarisch-Herxheimer反応により胎児機能不全や早産の危険性があることから, 入院観察での投与をすべきとの考えもある。
クラリスロマイシンの即放錠または懸濁液に対して,影響を及ぼさない ..
性感染症になったら、必ずパートナーにも検査を勧めましょう。
過去60日以内に性的接触をもったパートナーは、検査が推奨されます。
梅毒や尖圭コンジローマなどは、潜伏期が非常に長く、無症状で体内に潜伏している可能性があります。
そのため、パートナーが検査で陰性であっても、定期的に検査を行う必要があります。
なにか気になることや、心配なことがあれば、当院へお気軽にご相談ください。
梅毒トレポネーマ · Cutibacterium acnes(かつてのPropionibacterium acnes)
検査を行って、病原体・病気が診断できた場合、抗生物質の投与を行っていきます。
病原体によって効果のある抗生剤が異なるため、しっかりと診断して、適切な抗生剤を使用することが重要です。
性感染症の病原体と使用する抗生剤の一覧を以下にお示しします。
皮膚科の臨床 2024年6月号 66巻6号 特集 梅毒 【電子版】
日本性感染症学会 性感染症 診断・治療ガイドライン 2020 診断と治療社
梅毒のみ
梅毒患者は本邦で年々増加しており,定型的な経過をたどらない梅毒 ..
『淋病・クラミジア・梅毒にすでに感染していながら、ドキシPEPを内服すること』が耐性菌を作ってしまうきっかけとなります。
クラリスロマイシンとミノサイクリンにより治療した皮膚Mycobacterium marinum感染症…
近年の研究で、梅毒、淋病、クラミジアは飲み薬とワクチンで予防することができることが知られており、飲み薬(Doxy PEP:ドキシペップ)について解説いたします。
マクロライド系抗菌薬(クラリス®、ジスロマック®、エリスロシン®など)
耐性菌が発生することで、これまでの薬では治りづらい菌が発生したり、それらが流行ってしまうと社会的な不利益にもなります。